あいにくの空模様ですが、ディズニーランドやユニバーサルスタジオの再オープンや各地の海開きのニュースなどを耳にすると、夏の訪れを感じます。

さて、今回は撥水レザーを使用したトラベルショルダーシリーズの後編です。(前編はこちら

イタリア「ラ・ブレターニャ」社製の撥水レザーを使用しているため、現在のところ、“ジーンブルー”、“オレンジ”、“カーキ”の3色のみの展開となっております。

カラーリングのカジュアルさは、「エレガントなデザインでカバーする」ということで試行錯誤した結果、生産に6種類のミシンを使用するこの形となりました。

ミシンについては前編で詳しく解説しました(前編はこちら)が、当然、ミシンを使った縫製以外の作業も数多くあり、その良しあしが最終的な仕上がりの美しさを大きく左右します。
後編の今回は、縫製以外の作業をご紹介いたします。

まずはコバ塗り。コバは革の切り口のことで、磨いたり樹脂系の塗料を塗ったり内側に折り返して見えなくしたりと処理方法はいくつかあります。

今回のモデルは、生地と同色の塗料を塗って仕上げています。その工程ですが、まず、発色を考えて下地材を塗った後、やすりで形を整えます。

次に、コバ材をぬり、乾かします。

乾いたら、磨きます。

磨いた後、また塗って、磨いてを納得のいくまで、繰り返します。油断すると不要な部分に塗料がついてしまうので、集中力が大切な大変な作業です。

その他、各パーツの下処理をします。

縫製をする前に各パーツをノリなどで仮止めをします。上の写真はファスナーを中心に貼りつける作業。下は糊を付ける部分を予め荒らす作業を終えたパーツです。使用する糊によっては革の表面に貼りつかないものがあり、その糊を使うときは画像のように糊を塗る部分だけ、予め表面をやすりで削っておかなければなりません。

各パーツの下処理ができたら、貼り込みとよばれる仮組立に入ります。裏返して縫製が出来るデザインや生地や革を使う場合はこの工程はありませんが、今回のデザインのようにかっちりしたものを作る場合は、この貼り込みの作業をいかに丁寧にするかで全体の仕上がりが決まります。

まず木で枠を作り、それに沿って各パーツを糊などで貼り込んでいき大体の形をつくります。

また縫い合わせる場所に補強テープをはり、テンションのかかるミシン目の補強もおこないます。

こういうひと手間が、長くお使いいただける鞄の秘訣です。

ここまで出来たら木枠を外し、縫製に入ります。縫製に失敗するとこれまで手間が全て無駄になるだけに、縫製担当者の感じる緊張感はとても大きいのだそうです。

最後に引き手や金具類を取り付けて完成です。

いかがでしたでしょうか?
マスミ鞄嚢縫製部の技術を総動員したトラベルショルダーシリーズ。7月中頃にはオンラインショップやKITTE丸の内店などでもご購入いただけるようになるとおもいます。

応援のほど、お願いいたします。